現代人は、日々のデスクワークや、長時間のスマホ操作によって、肩や背中が丸まり猫背になってしまいがち。
家族や友人に姿勢が悪いと言われたり、街を歩いているときにふとガラスに映った猫背の姿を見てハッとしたことはありませんか?
猫背は見た目が悪いだけでなく、肩コリや腰痛、むくみ、肥満などさまざまな不調を引き起こす要因になりかねません。多くのデメリットが潜んでいる猫背に、そろそろ終止符を打ちませんか?
理想の姿勢は、身体の真上に頭が乗っていて、横から見たときに背骨がS字型に緩やかなカーブを描いている状態です。
しかし猫背の場合、背骨が丸まって頭が身体より前に出てしまい、約5~7kgもある頭が前に出ることで、首や肩に大きな負担がかかってしまいます。
猫背は主に次の4つのタイプに分類されます。それぞれ、猫背の原因となる部分が首であったり、背中であったり、腰であったりとさまざまです。
首が前に傾いてしまっている状態
首、肩の周りに疲労が溜まりやすく、肩コリや頭痛の原因になります。
背中の部分が極度に丸みを帯びた状態
背中を伸ばす筋肉が上手く使えなくなってしまうのが特徴です。
腰を大きく反ることでバランスをとるために首が前に出やすく、背骨全体が強いS字カーブを描いた状態
腰と首への負担が大きいのが特徴です。
骨盤まわりの筋力不足が原因で腰が丸まくなった状態
骨盤の位置が安定せず正しい姿勢を保ちにくいため、腰に負担がかかりやすいのが特徴です。
このように、猫背と一言で言っても原因や負担をかけている部位はさまざま。猫背が及ぼす不調は首や肩周りだけでなく全身に至る可能性があります。
あなたはどのタイプ?
>>猫背セルフチェックをやってみる
猫背だったとしても、特に強い痛みや不調がないから気にしていないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、猫背は思っている以上に筋肉や骨に負担をかけており、見た目が悪いだけでなく、さまざまな不調を引き起こします。
猫背の姿勢が続くと、首や肩、胸まわりの筋肉が緊張して固くなりやすくなり、首や肩のコリを引き起こしてしまいます。
猫背によって頭や肩が前に出ると、人間の身体はバランスをとるために、腰を後ろに傾けようとします。
この状態が長く続くと、骨盤が後ろに傾いたままになりやすく、その結果、腰痛の原因になります。
猫背により身体がゆがむと血管を圧迫し、血行不良を招くことがあります。
血行が悪くなると手や足など先端まで血液が循環しにくくなるため、冷えが起こり、リンパの流れも悪くなるため、
むくみが生じやすくなります。
猫背になると、内臓を支えている骨盤が歪みやすくなります。
その結果、内臓の位置もずれてしまい、胃腸などに悪影響を及ぼす可能性があります。
消化器官がうまく働かず代謝が悪くなると太りやすくなります。
息を吸うときには、骨が動くことによって胸郭のスペースを広げて肺の膨らみやすい状態をつくります。
しかし、猫背が悪化すると胸郭が圧迫され、肋骨自体の動きが悪くなります。
その結果、呼吸が浅くなり、血中の酸素が不足して美容と健康の更なるマイナスにつながります。
猫背のせいで老けて見えるだけでなく、腰から下にも悪影響を及ぼします。
ぽっこりお腹や垂れ尻の原因にもなり、老け見えにつながります。
このように、猫背にはさまざまなデメリットがあります。今起こっている不調の原因が実は猫背だった、ということもあるため、
日ごろから姿勢を意識しましょう。
猫背になる原因は様々ですが、日常生活の姿勢が大きく影響していると言われています。
当てはまるものがあれば、あなたも猫背になっているかもしれません。
このような姿勢が最も猫背を引き起こしやすいと言えるでしょう。この状態が癖になると姿勢や骨格をつくる筋肉が猫背の形で固まりやすくなります。頭部の負担は増え続けますので、どんどん頭が前に出て猫背がひどくなります。
スマホやゲーム機を覗きこむ姿勢は猫背となりがちです。なるべく顔の高さまであげ、目線が下がらないように注意が必要です。
座面に浅く腰掛け背もたれに背中の後ろだけを当てる姿勢は、姿勢をつくる筋肉が衰えて猫背となりやすいです。気づかないうちに顎を引く姿勢にもなっており、頭部が前に出てしまいがちです。
背中に重い荷物を背負ったり、重いヘルメットを被ったりする作業は頭部が前に出て猫背を引き起こしやすいです。また、バレーボールのレシーブの姿勢に代表されるようなスポーツ時の前屈み姿勢や無理な姿勢でのトレーニングなども、猫背の原因のひとつとなります。
一人で考えこみがちな方は自然とうつむくような姿勢になりやすいです。うつむく姿勢は、ネガティブ思考に陥りやすく、うつにもつながり慢性化しやすいというのは研究家や精神科医の間では常識になっているようです。心配事や悩み事がある時は気分転換を心がけ、一人で考えこみすぎず人と話すようにしましょう。
猫背のまま座っていると、ワキが自然に開き、肩コリにつながることも。
肩の真上に頭がまっすぐに乗って、ワキが閉まっている状態が理想の座り方です。
この姿勢なら疲れを感じにくく、背中や二の腕のたるみ防止も期待できます。肩甲骨を意識して座ることがポイントです。
ここでは、特に猫背になりやすいデスクワークで、美しい姿勢をつくる方法をご紹介します。
①胸をはって座り、できるだけ真上を見ます。
②耳たぶの後ろの骨の出っ張りの少し下にあるくぼみに人差し指を当てます。
③指にくぼみをつけたまま、ゆっくりと前を向きます。
④ヒジを直角に曲げて机から握りこぶしひとつ分離れて座り、手の平を上に向けます。
⑤肩甲骨を後ろに引いて胸をはります。
⑥ヒジから先の部分だけを内側にねじり、手の平を下に向けます。
普段から姿勢を意識していても、気を抜いた瞬間に猫背になってしまい、知らず知らずのうちに猫背が癖になっていることもあります。セルフケアだけでは思うように変化を感じられないときは、一度接骨院で猫背調整を試してみるのもおすすめです。