モロッコの香りを前菜で。
暑い日が続くと、つい冷たい飲み物などをとり過ぎてしまいがちに。オフィスや乗り物の中も冷房が効いている場合が多いため、体を内側から冷やしてばかりいると代謝が滞って血の巡りが悪くなり、体調を崩すことにもなりかねません。
今回、料理研究家の友兼さんに教わったのは、夏野菜を使った夏バテ予防のレシピ。
「体が冷えて体温調節がうまくできない時に役立つのが、適度な酸味やアミノ酸、ビタミンを含む夏野菜。薬膳の考えでは体を冷やす食材も、火を通すと温める性質に変化。それに、夏野菜のカリウムは余分なナトリウムを排出して代謝を促すので、むくみやだるさの予防にも」。
さらにレシピに活用すると効果的なのがスパイス。「クミンの香りは食欲アップに。チリやジンジャー、コショウは代謝を促進。代謝が良くなると夏の疲れが出やすい初秋を迎えた時に体が楽ですよ」。
旬の食材にスパイスを取り入れて、夏を元気に乗り切りましょう。
POINT.1
旨みや栄養を逃さず皮むき
トマトのヘタを取ってフォークを刺し、直火であぶる。回しながら全体を焼き、弾けた皮をむくと、旨みが凝縮され栄養が損なわれにくい。
POINT.2
トマトと油を乳化させて
トマトは汁気がなくなるまで煮込み、オリーブオイルと乳化させてソースに。コリアンダーとイタリアンパセリは緑を残すため最後に入れる。
トマト
赤色色素リコピンは抗酸化作用に優れ、美容と健康に役立つ。加熱すると吸収率がアップ。旨み成分グルタミン酸もたっぷり。
パプリカ&ピーマン
豊富なβカロテンは油で調理すると効率よく摂取できる。ビタミンCも多い。赤パプリカのカプサイシンは代謝を活発に。
料理研究家 友兼 由子さん
ともかねよしこ/ケータリングやフードコーディネート、食をプロデュースする「L.A.C.」主宰。モロッコなどの北アフリカ、アジア、ヨーロッパで出会った各国の家庭料理を得意とし、雑誌などの各メディアで活躍中。神戸で毎月少人数制の料理教室を開催。