反り腰とは、骨盤が前傾し、本来緩やかな腰のカーブが極端にきつくなった状態のことを指します。
「きれいな姿勢=腰を反らせた姿勢」と勘違いしている人も意外に多く、無自覚で反り腰の姿勢をとってしまう方も少なくありません。
反り腰は一見スタイルが良いように見えますが、身体には負担がかかっている状態。
「反り腰=姿勢が良い」ではないことを、知っておきましょう。
腰の緩やかなカーブそのものは、クッションとして重要な役割を果たしていますが、度を超えたカーブは、出尻や腰痛、生理痛などのさまざまな不調の原因にもなることも。
まずは、自分が反り腰かどうかチェックしてみましょう。
靴を脱いで、素足で壁からカカトを5cmほど離してまっすぐ立ちます。
頭、お尻、背中を壁や柱にピタッとくっつけて、壁と腰の間に手を入れてみましょう。
もしすき間に手がすっぽり入り、余裕があるようなら、骨盤が前傾して腰が反っている可能性大!
仰向けで寝たときに、ベッドと腰の間に手の平がすっぽり入る場合も、反り腰かもしれません。
慢性的な腰痛
反り腰は、骨盤が前傾し腰の筋肉が縮んでいる状態。
腰の筋肉が収縮することで腰骨が反ってしまいます。背骨の間にある椎間板が
この状態は、腰に大きな負担がかかり慢性的な腰痛に繋がりかねません。
デスクワークなどで座る時間が長い人は要注意。座った姿勢は骨盤の状態が不安定でゆがみやすく、筋肉も緊張して固まりやすいため、反り腰になりやすいと言われています。
ぽっこりお腹
反り腰になると、前面に当たるお腹の筋肉が緩んで、ぽっこりお腹になることも。
本来お腹の筋肉で圧迫される(腹圧)ことで、胃や腸は膨らみにくく食欲がむやみに増進しないよう食い止める役割も担っていますが、お腹の筋肉が緩むと腹圧が弱くなって必要以上に食べてしまう場合もあります。
反り腰はダイエットの敵かもしれません。
太っているわけではないのに、胃のあたりから下腹がぽっこり出ているようであれば、それはお腹の筋肉が緩んでいるせいかも。反り腰を意識することをおすすめします。
むくみ・冷え
また、腰痛やぽっこりお腹の他に、むくみ、冷えの原因になることも。
おなかが極端に前に突き出た姿勢であることや、骨盤の歪み、前傾や腰の筋肉の収縮、股関節周辺の圧迫によって血流やリンパもが滞りやすくなるためです。
ヒザに違和感を覚える場合もあります。
前傾姿勢を支えようとつま先に重心が偏り、つま先に力を入れて歩くクセがつくと、外反母趾や巻き爪を引き起こす可能性も。
●ヒールのある靴を履くことが多い
ヒールのある靴を履くことで、少しでも角度がつけば重心は前に偏ってしまいます。
前に倒れないよう太もも前面の筋肉は収縮し、無意識に重心を後ろにもっていこうとします。それによって腰が反った状態になってしまうのです。
坂道を下るときをイメージすると分かりやすいかもしれません。
●お腹の筋肉が弱まっている
運動不足や加齢によって、お腹の筋肉が弱まることも反り腰の原因になりかねません。
お腹の筋肉が緩むことで、腰の筋肉が収縮したり、骨盤が前傾したりすることで反り腰を引き起こしてしまいます。
最近太ってお腹にお肉がついてしまった、運動不足である、体幹を使えていない…
これらに心当たりがある人は、反り腰になっているかもしれません。
●妊娠・出産による体型の変化
妊娠、出産を経た女性はお腹の筋肉が弱まり反り腰になりがち。
また、産後に赤ちゃんを抱っこする際に腰のあたりで支えることで、バランスが背中に傾き骨盤も前傾してしまいます。
反り腰対策のためには日々姿勢を意識することが大切です。
ストレッチやトレーニングで筋力をつけたり、柔軟性を身に付けたりすることもおすすめ。
無理のない範囲で行ってください。
骨盤まわりの筋肉へのアプローチ
①まっすぐ姿勢を正してイスに座ります。
②頭の位置を変えずに口から息を吐きながら、腹筋に力を入れお腹をへこませて骨盤を後傾させます。
そのままの状態で5秒間キープ。
10回行いましょう。
腰まわりの筋肉へのアプローチ
①頭の後ろにマクラやクッション等を入れて仰向けになり、アゴを引き気味にします。
②太ももの後ろに両腕を回して両ヒザを抱え込みます。
腰を意識し伸ばすようにして20秒キープ。
3回行いましょう。
キャットストレッチ
①肩と太ももが床と垂直になるように四つんばいになります。
②そのままの状態で口から7秒かけて息を吐きながら、天井にひき上げるように腰から背中を丸めます。
③次に鼻から3秒かけて息を吸いながら、上を向くように目線を挙げて背中を反らしていきます。
5回行いましょう。