《猫背》という言葉をよく耳にしますが、イメージが先行して正しい情報をキャッチできている方は少ないのではないでしょうか?
猫背という姿勢のことを詳しく知ることで、自分に必要な施術を選ぶことができたり、自分で猫背にならないように気をつけたりすることができます。
まずは、自分の猫背のタイプをチェックするために、全身の横向きの写真を撮ってもらいましょう。カメラを固定してセルフ撮影しても問題ありません。
撮影する際、カメラは地面と垂直に構えて全身が写るようにセットします。
服装は少しタイトな方がボディラインがくっきり映るので分かりやすいですよ。
猫背は主に4つのタイプに分類されます。この4つのタイプのうち、首猫背と背中猫背の両方に該当している方もいらっしゃいます。
ご自身ではなかなか上手に判断できない時もあるかもしれません。正確に判断をしてほしい方は接骨院の先生にみてもらうのがおすすめです。
首猫背タイプ
首が前に傾いてしまうことが最大の特徴です。首や肩のまわりに疲労がたまりやすく、コリの原因になることも。首が前に傾いてしまうので、ひどくなると首本来のカーブが減ってしまい、ストレートネックと言われてしまうこともあるかもしれません。首猫背がひどい方は、セルフケアだけではよくならない場合が多く、背骨全体への施術が必要です。またストレートネックへのアプローチを目的とした、首の専門的な施術を受けることもおすすめです。
背中猫背タイプ
背中をピンと伸ばすためには、背中の筋肉が動いていなければいけません。
背中猫背タイプは、背中が丸くなってしまって、背中を伸ばす筋肉が上手に使えなくなってしまうのが特徴です。
普段使わなくなった筋肉をセルフケアで動かし続けることで、よくなる可能性もあります。
しかし、普段動かしてない筋肉を使うことは、最初は少し大変かもしれません。
背骨の動きがよくなる施術を受けることによって、動かしやすい状態をつくるとセルフケアの効果を感じやすく、より一層楽しくなるかもしれませんね。
S字型猫背タイプ
S字型猫背タイプの方は、腰骨のカーブが本来よりも強くなることによって、背骨全体のS字カーブ、特に胸のあたりの背骨が大きいカーブを描いて、前に傾いてしまうのが特徴です。
S字型猫背タイプの方は、セルフケアや施術で一生懸命よくしようと頑張っても、腰骨のカーブに対してアプローチしない限りは、よくすることは困難です。
反り腰プログラムやセルフケアを同時に取り組むことが、良好に繋がるポイントかもしれません。
腰猫背タイプ
腰猫背タイプの方は、背中猫背の方と同様に筋力不足になっている方が目立ちます。腰猫背タイプの場合は、背中の筋力ではなく骨盤周囲のインナーマッスルの筋力が十分でなく、その筋力が発揮できる骨格の状態ではない方が多いです。S字型猫背タイプとは逆に腰骨のカーブが小さくなり、背骨全体のS字カーブ全体のカーブも小さくなります。腰骨の動きも悪くなりやすいため、腰痛などの不調を抱える方も多く、年を重ねていくごとに筋力が低下することが原因になっている場合もあります。
猫背の原因は日常生活に多く潜んでいますが、猫背と深い関係があるカラダの使い方や筋力について考えてみましょう。
現代人に猫背の方が多いのは、単純に身体の前で、何かを行う動作が増えたからでしょうか?
昔から身体の前で何かを行う動作はたくさんありました。編み物も、洗濯板で洗濯するのも、田植えも身体の前で行う動作です。
もちろん現代では、PCやスマートフォンの普及で身体の前での動作の種類は増えました。しかし圧倒的に減ったと言えるのが、背中の筋肉を使う、もしくは腕を後ろにまわした状態での動作です。
昔は、物を運ぶときは箱や樽に入れて頭の上でバランスを取りながら運んでいました。この時に姿勢がきれいでなければうまく運ぶことができません。そのため、自然と美しい姿勢をキープできていたと考えられます。
また、昔は台車を押すのではなく、引くことが多かったと言われています。”引く”という動作は身体の前での動作でないので、もちろん背面の筋肉も使いますし、なおかつ引くためにはきれいな姿勢である必要がありました。
なぜ現代に猫背の状態の人が増えてしまったのか?それは、身体の前での動作の種類が増えて、身体の後ろでの動作が少なくなってしまった、きれいな姿勢でなければうまくいかない動作が少なくなった、などが大きな理由であると考えられます。
交通インフラも整い、移動するために自信の筋力を使う人も減ったことによる基礎的な筋力低下も理由のひとつかもしれません。
猫背だったとしても、特に自覚症状がないから気にしていないという方も多いのではないでしょうか。
つらい症状がなければ特にケアをする必要性がないというのも一理ありますが、この情報を知ってもあなたはそう言い続けることができますか?
猫背は、顔や腕、バストラインやウエストラインを美しくみせるための筋力が減少し、スタイルのくずれに繋がる、審美的な事柄にも影響します。いつまでもきれいでありたい女性には、つらい症状がなくとも猫背は天敵かもしれません。
今は自覚症状を感じていないけれど、症状が軽いうちに改善を目指した方が、施術にかかる期間が短くなる可能性もあるので、気になる部分があったら猫背へのアプローチにトライするのがおすすめです。
猫背が悪化すると、胸郭という肺を覆っている肋骨のスペースが圧迫され、肋骨自体の動きが悪くなります。
息を吸うときには、肋骨が動くことによって、この胸郭のスペースを広げて肺の膨らみやすい状態をつくるのですが、肋骨の動きが悪くなると呼吸が浅くなり、血中の酸素が不足して美容と健康の更なるマイナスに繋がる可能性も。
また、背骨のゆがみが発端となってO脚などにつながる可能性もあり、つらい症状が出た頃には、あれもこれも、とたくさんのケアが必要になるかもしれません。
そうなる前に理想のケア方法や施術をしてくれる接骨院を探してみてください。
≪猫背から正しい姿勢に戻すストレッチ≫
①背中で両手を組む。
②組んだ両手を遠くに伸ばし、胸を張っていく。
20秒程かけてゆっくりストレッチ。
≪上半身を猫背から正しい姿勢に戻すストレッチ≫
①仰向けで寝る。
②手の平が床から浮かないようにし、床みがきをするように外回り、内回りと5回ずつ動かす。