血糖値スパイクとは、普段の血糖値は正常で糖尿病などではないのに、食後の短時間に血糖値が急上昇する現象のこと。病気じゃないなら気にしなくてもいい、というわけにはいきません。
この血糖値スパイクの怖いところは、血糖値スパイクが長期間続くと、毛細血管の脆弱化や動脈硬化を引き起こす原因になったり、血管に限らず関節などに炎症が起こりやすくなったりすることです。
本来人間の体は、全身の細胞が機能を発揮できるよう弱アルカリ性に保たれていますが、血糖値スパイクが起きることで体が酸化傾向になり、不調をきたすことも指摘されています。さらに最近の研究では、認知症の進行にも関連があることが分かってきました。
血糖値と聞いて最初に思い浮かぶ病気は糖尿病ではないでしょうか。糖尿病は慢性的に血中の糖(グルコース)が増えてしまい、血糖値が高い状態が続くことで、体に不調をもたらす病気であるということはご存じの方も多いかと思います。しかし、血糖値スパイクは、何が原因で、どのような症状を引き起こすのか、さらにはその言葉すらも知っている人が少ないのが現状です。
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血糖値スパイクの状態が続くことで体にどのような症状が出てくるのか、それを知ることが普段の生活習慣を見直すきっかけになるかと思います。
血糖値とは血液中のグルコースの濃度のことで、空腹時と食後の血糖値は変わってきます。空腹時血糖値は80〜90mg/dLが一般的、食後2時間後血糖値は140mg/dl未満が正常とされています。しかし、実は糖尿病ではない方でも食後血糖値が140mg/dL以上になることは珍しくなく、こうした食後1~2時間程度に血糖値が急上昇することを血糖値スパイクといいます。
食後にぐったりして、椅子から立ち上がる気力がわかずしばらく座ったまま過ごしたり、横になってゆっくりしたい気持ちになったり…。また、睡眠時間は足りているはずなのに眠気を感じるほどの急な疲労感が出たことがあるなど…。こんな状態に陥ってしまったことがある方は血糖値スパイクになっているかもしれません。
通常、健康な方はインスリンというホルモンの働きによって血糖値は一定に保たれています。しかし、糖質の摂取量が多いほど血糖値が上がりやすくなります。近年の食生活に多く見られるご飯、パンなどの糖質(炭水化物)に偏った料理を食べる・砂糖などが多く含まれる清涼飲料水をよく飲む・食べ過ぎ・間食などが原因で、インスリンの働きが糖質の摂取量に追い付かない場合、高血糖状態になってしまいます。
すると、高血糖状態を改善して血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されます。その反動で血糖値が急降下し、一気に反転して低血糖の状態になります。このように。高血糖状態から、急に低血糖状態になることが血糖値スパイクの一連の流れです。この血糖値の急激な変化が、食後1時間前後に強い眠気や倦怠感を引き起こす原因になり得るのです。
血糖値スパイクが続くと、血液中の余った糖(グルコース)がヘモグロビンとくっついて糖化反応が進みます。ヘモグロビンは、赤血球内のタンパク質の一種で、全身の細胞に酸素を送る働きをしています。ヘモグロビンの糖化が進むと、くすみやシミ、シワなどの老化や、骨粗しょう症、白内障、認知症などの病気を引き起こす可能性も。また関節などの炎症の一因にもなるため、痛みや不調を長引かせてしまうこともあります。
血糖値スパイク対策として、すぐに取り組めるのは生活習慣の改善です。過剰な努力はストレスになりかねませんので、できることから始めてみましょう。
糖質を含む食べ物をたくさん食べると血糖値が高くなってしまうため、糖質を含む食べ物は一食の中で一品目に抑えることを目指しましょう。食べすぎにも注意してくださいね。
①野菜料理を最初に食べて、糖質は食事の後半にもってくること
血糖値スパイク対策には食べる順番も重要です。野菜などの前菜を最初に、その次に肉や魚などの主菜、そして最後にご飯やパンなどの糖質を順番に食べるのが良いとされています。
野菜などの前菜を最初に食べるのが良い理由は、野菜には多くの食物繊維含まれているからです。食物繊維は最初に摂取することで、後から食べた糖質の吸収を抑えてくれる働きがあります。
また、肉や魚などの主菜に含まれるタンパク質や脂質は消化吸収に時間がかかるため、血糖値は上がりにくくなります。さらに、インクレチンというホルモンの分泌が増えることで胃腸がゆっくり働くようになり、消化吸収の効率が下がって食後の血糖値の上昇が緩やかになるのです。
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②1日3食規則正しく食べること
1日の最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の食後血糖値にも影響をおよぼすと言われています。(セカンドミール効果)。忙しくてもきちんと規則正しく朝食を食べること、そして食べられなかった日の昼食には、糖質の少ないものを選ぶことが血糖値スパイク対策に繋がります。
③食後には軽く運動をすること
食後1時間くらいに、ウォーキングなどの有酸素運動をすることで、血液中の糖(グルコース)が細胞に取り込まれ、食後高血糖が抑えられます。食後に体を動かさないままでいると、うまく血糖値が下がらず食後高血糖の状態が通常よい長く続いてしまうことも…。
食後はゆっくりしたいという気持ちを振り切って、軽い運動とまではいかなくても、食器を片づけたり、散歩をしたりすると、何もしないよりも血糖値がうまく下がることが分かっています。ランチを食べすぎた時や、夜の食事会で糖質を過剰に摂取してしまった時などは、歩いて帰るということもおすすめです。
サイリウムとはインド原産のオオバコ科の植物のことで、このサイリウムの種皮には食物繊維がたっぷり含まれています。プレミアムサイリウム プランに使用しているサイリウムは、ブロンドサイリウムと呼ばれる品種で、栽培から商品になるまで化学薬品などを一切使用していない天然の食物繊維です。
プレミアムサイリウム プランに含まれる食物繊維は、吸収されにくいため、糖の吸収を穏やかにする働きがあります。また腸内細菌が食物繊維等を分解して生じる短鎖脂肪酸は、肝臓で糖質を作り出す(糖新生)を抑えるため、血糖値の上昇も抑制されます。とくに水溶性食物繊維は、糖(グルコース)の吸収を遅らせて食後血糖値の上昇を抑える働きがあります。